アフタースクール

アフタースクール

「鍵泥棒のメソッド」の内田けんじ監督の過去作だ。「鍵泥棒のメソッド」はヒジョーに良かった。その同じ気分を味わいたくて借りてみた。たいていこういった期待は打ち砕かれるものだが、案に相違して、その期待を裏切らない上出来の作品だった。こうなると更にその前作である「運命じゃない人」も見てみたい。
この監督は観客を騙すことに心を砕く人だ。もうそれだけでこの作品の全てを語っていると思う。騙される気持ちよさを存分に味わえる。
「アフタースクール」というから放課後が絡む話であり、出演者ももっと若い人たちのお話なのかと思いきや、それはほんの1分程度の回想シーンでしかなかった。しかしそれが大きな伏線であり最大のヒッカケを仕掛けているのが判った時は、独り快哉を叫んだ。
どう考えても堺雅人が主役だと思わずにいられない法則を巧みに利用して、実はこのあんまり見たことのない大泉洋という男が真の主役だったということが判った時も、独り快哉を叫んだ。
大泉洋という役者は本作を含めて3本(他は「清洲会議」「アイ・アム・ア・ヒーロー」)お目に掛かっていることになるが、そのどれもが同一人物とは思えない。実際、エンドロールを見るまでこの真の主役を誰が演じているのか判らなかったのだ。この人の名は「水曜どうでしょう」とセットで表記されることが多いので、役者というよりタレントというイメージが強いんだけど、この人こそ役者中の役者なんじゃないのかと勝手に思っている次第であります。
»»鑑賞日»»2019/09/29

●原題:アフタースクール
●制作年:2008
●上映時間:102min
●監督:内田けんじ
●キャスト:大泉洋/佐々木蔵之介/堺雅人/常盤貴子/田畑智子
●お薦め度:★★★★☆

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