42

42 世界を変えた男

それなりに感動できる。
と、マァひねくれた物言いで申し訳ないんだが、どこか他人事でどうでもいいやと思ってしまう自分がいるんだよね。
時代は終戦直後のお話で、日本では「火垂るの墓」とか「この世界の片隅に」とかの時代と直結している訳だ。そんな時代に野球ですかい…とチト思っちゃうこともない訳ではない。
そんなことはアメリカさんに想像もできないんだろうとは思うが、テーマの割にカラッと明るい印象がある。「ミシシッピー・バーニング」とテーマは重なると思うが、アチラはかなりおどろおどろしい。あの映画自体はフィクションだろうが、ある程度リアルなんだと思われることを鑑みれば、この「42」の作風は救いがある。イヤ、有り体に言えば生温い描き方なんじゃないのか。
本作は実話を元にしているんだから、「ミシシッピー…」の比じゃないほどリアルなんだろうけど、あれだけ脅迫文が送られているんだから、作り様によっては、もっとスリラーチックなものになる選択肢もあっただろう。なんと言っても監督はブライアン・ヘルゲランドなんだから、映画的にはそっち方面を期待してしまう。
しかし本作は感動、感動、感動を前面に押し出している。「しかし」というのもヘンだが、当たり前な話、そういう話なんだから当然ですわな。てな訳で、それなりに感動した。

実際には「世界を変えた」のはハリソン君が演じた人ですよね。この人がいなければ、ブラックパンサーの演じた如何いかな「42」の人でも無理じゃったでしょうなと思う次第であります。

裏読みすれば、野球業界からの圧力もあるだろうから、そうそう非道いイジメも描写できないだろう。
結果的にはハリソン君のお陰で黒人選手が活躍できるようになったのは事実だろう。しかし本作を観ていると、綺麗ごとを言ってはいるが、「勝ちたい」「儲けたい」というのが一番の動機だったのだろうというのは容易に予測できる。
それにこの描写では、大親分(ハリソン君)の庇護があるんだから、ブラックパンサーはチーム内においては怖いものなしである。

勝てば官軍なのは世の常だから、LGBT差別の現象を見ても判る通り、一旦世論が動けば、(表面上は)恐ろしいまでに今までと正反対のことを標榜しだすのがアメリカだ…という印象がある。その点は日本も似た様なことになってきているが。
だから42の人もそういう追い風に煽られてスターダムに祭り上げられた社会現象の爪痕だったに違いない。と、ウタグリ星人は思うのである。
»»鑑賞日»»2019/02/13

「ミシシッピー・バーニング」も実際の事件を元にしたノンフィクション作品だということが判明した。
ミシシッピ州はフィラデルフィアでの事件だとのこと。フィラデルフィアというのは、「42」の中で主人公のチーム全体がホテル宿泊を拒否された都市だったかな。つまりそういう過激な思想の蔓延している地帯ということですな。南北戦争の辺りから勉強してキッチリ理解しておけば見方も変わって来るんでがしょうな。

●原題:42
●制作年:2013
●上映時間:128min
●監督:ブライアン・ヘルゲランド
●キャスト:ハリソン・フォード/チャドウィック・ボーズマン
●お薦め度:---

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