The LIFE & TIMES of Judge ROY BEAN

ロイ・ビーン

ファンタジーか?コメディか?な西部劇大河おとぎ話

良く言えば英雄、悪く言えば独裁者な男ロイ・ビーンの半生を描いた大河ドラマ。
この男、完全無欠ではない。易々と騙し討ちに遭ったりするあたり、リアルな人間味がある主人公だ。その仕返しに騙し討ちの現場にいた奴輩ほぼ全員を血祭りにあげ、その町を牛耳ってしまうところから物語は始まる。
そういうバイオレンスな映画なのかなと観ていると、どうもそうではない。明るく楽しく絞首刑を執行したりと、色調はあくまで明るい。絞首刑は悪人にとっては名誉なのだとか、それをずっとぶら下げておくのも子供の教育の為だとか、一理あるお説を垂れてくれる。そのあたり、本邦の切腹や処刑と近しい道理なんだろうし、恐らくそれもリアルなことだったんだろうと推察される。
そのまま最後まで行くのかと思っていたら、時代の趨勢には抗えず近代的な町になっても大暴れするエピソードから少々怪しくなってくる。そんなに無茶苦茶しても大丈夫なんかい!と危惧していると、自分たちの本拠地以外はほぼ丸焼けの更地になってしまい、ご都合レーダーが反応してしまうのがチト虚しい。
»»鑑賞日»»2019/03/21

知ってか知らずか、先日観た「女と男の名誉」の監督ジョン・ヒューストンの作品だった。と言うのも、自分のレンタル方法というのが以下の方式に則っているからだ。

●基本的にはディスカスの8枚コース(月額約2000円)に入会しているが、最近は殆ど休会状態にしている。
●映画関連のサイトやアマゾン、ディスカスなどのレビューなどを「なんとなく」流し読みして、気になったものをディスカスのレンタル候補に登録しておく。
●そのレンタル候補をリストアップし、以下の方法でブラッシュアップする。
●TSUTAYAの在庫検索で近所の100円でレンタルできる店舗に在庫があるか調べる。
●その条件に合致したものを最終的なリストとして、プリントアウトするなりiPodのメモにコピペするなりして、実店舗に行く。
●どうしても近所にない作品は貯めておいて、ディスカスを発動させる。

というような、スマホなら事前準備しなくてもいいようなメンドくさいことをやっとるわけです。
そのリストには題名しか書いていないので、店舗に居る時点では「ハテ、なんでこんな作品をリストアップしてるんやろ?」と思うこともしばしばだが、それがいいのだ。
そうすることで、ナナメ読みとはいえ、ある程度は予備知識を仕入れてしまう訳だから、その知識を忘れることができるからだ。

ということで、本作と「女と男の名誉」の関係は、例の「この商品を買った人はこんな商品も買っています」のコーナー繋がりでリストアップしていたんだろうと推測される。

本作のロイ・ビーンという人は実在の人物だとのことで、本邦で言えば清水の次郎長みたいな扱いだと想像できる。次郎長も浪花節や映画などで、ある時期は恐ろしくエピソードが豊富だが、その晩年のことを知っている人は余程のマニアでなければ知らないだろう。
また物語になっている部分も脚色が多く、名物男、森の石松という人物に至っては実在したかどうかさえ判らないと言われている。
ということで、結論。
「ロイ・ビーンは西部劇の清水次郎長である」

●原題:The LIFE and TIMES of Judge ROY BEAN
●制作年:1972
●上映時間:123min
●監督:ジョン・ヒューストン
●キャスト:ポール・ニューマン/エヴァ・ガードナー/ジャクリーン・ビセット
●お薦め度:★★★☆

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