PRIZZI’S HONOR

女と男の名誉

なかなか、ありそうでない映画かもしれない。
「恋愛小説家」的なラブロマンスものだとばかり思っていた。
ところがどっこいである。
まぁラブロマンスには違いないんだが、特殊な世界でのラブロマンスを描いている。つまりマフィアの世界である。
主役がジャック・ニコルソンなんだから、まあそうだわなと思える。どちらかというと小説家なんてガラには見えへんもんな。

「ゴッドファーザー」ほど重厚感はないが、人殺しなんか屁とも思わない世界の人間である。しかも冒頭からマフィアっぽい人たちと警察っぽい人たちが出席している結婚式が映し出される。おいおい、そんな開けっ広げな世の中なんかい!いわゆるズブズブな関係だ。
そこに出席しているジャック・ニコルソン。当然マフィア側だわなと察しはつく。しかしそれほど悪るそうな感じにも見えない男だ。そんなジャックが、参列している大年増ながら色気ムンムンの女性に一目惚れしてしまうのが事の発端だ。

その女性アイリーンとなぜかスンナリ良い仲になってしまう。アイリーンも素直にジャックに一目惚れした的な展開だから、何か裏があるじゃろと邪推してしまう。
しかしこの恋愛感情に関しては本物であるらしい展開なのが、逆に普通じゃない。

ジャックはそのファミリーでかなり上層部の人間であり、どうやら主に仕置部門の担当であるらしいことが判ってくる。
仕置にかけた男の女房が実はアイリーンであるということがサラリと判明しても、さらにアイリーンの正体は殺し屋であったということもポロッとばれても、ああそうかいと顔色ひとつ変えずに二人は結婚してしまうのだ。

そしてどんどん穿りだされるアイリーンの秘密。それでも二人は愛し合っているかに見えるが……ついに絶体絶命のピンチが訪れる。その決断は如何に。

作劇として、この決断は五分五分の割合でどっちに転んでもいい造りだと思う。そのまま実行するのもアリだと思うし、そうするかに見せかけてアッチを裏切るのもアリだ。また、それを察知した方が裏をかくというのもアリだろう。それはもう好みの世界でしかないと思う。
»»鑑賞日»»2019/02/23

原題の直訳は「プリッツィの名誉」といったところか。プリッツィは作中のマフィアのファミリーネーム。ちなみにジャック・ニコルソン演じるところのチャーリーは、このファミリーの血縁ではなく相談役でエライさんとして君臨しているパパの息子として描かれている。
一旦はファミリーを裏切るようチャーリー夫妻に入れ知恵するこのパパだが、裏切って金寄越せと手紙を送って来た息子を自慢してテンとして恥じない大物ぶりだ。
あんなことしたら、即仕置にかけられるんちゃうか?

wikiによると、どうもこれはブラックコメディに分類されるらしい。

チャーリーの元女房役を演じているのが、アンジェリカ・ヒューストンという女優さんで監督のジョン・ヒューストンの娘だそうだ。この元女房が全ての黒幕であるという重要なポジションだが、当時、実生活でもジャック・ニコルソンとアンジェリカ・ヒューストンは内縁関係にあって、ジャック・ニコルソンといえどもなかなかシビアな演技が必要だったかも知れない。当時の観客の誰もがそんなプライベートな事を承知の上で鑑賞していたらしい。だからコメディに分類されるんですな。
また、監督のジョン・ヒューストンという人はどうやら奇天烈な監督として有名らしく、この撮影の時点ですでに79才だったそうだ。なるほどね、そういう裏事情の知識を仕込んでから観れば、また感想も変わってくるでしょうな。
でもこの作品は新品ではもう販売されていないしプライムビデオのラインナップからも外れている模様だ。中古を買うかレンタル屋を当たるしかない。

●原題:PRIZZI'S HONOR
●制作年:1985
●上映時間:129min
●監督:ジョン・ヒューストン
●キャスト:ジャック・ニコルソン/キャスリーン・ターナー/アンジェリカ・ヒューストン
●お薦め度:★★★


◉Mr. & Mrs. スミス

なんとこの「Mr. & Mrs. スミス」は「女と男の名誉」のリメイクだそうだ。ふーん、そう言われればシチュエーションは同じだったなと思い出されるが、プロット拝借程度で殆ど別モンと言ってもいいんでないかい。
終り方は良かったが、ナンボ無茶苦茶しても司直の手が伸びない、ほぼファンタジーちゃいまっか?な造りだったと記憶している。

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