Miss Sloane

女神の見えざる手

劇中で何度も宣言されている「切り札」の意義とか存在をなぜか忘れさせられる。冒頭からロビイストという職業の作法を説明されているのに関わらずだ。冒頭すぎて忘れちゃったのかな?それともそう持ってくる奇跡の演出なのか。
ロビイストと言ってもなかなか馴染みのない職業で、ロビー活動をする人と辞書には載っている。では「ロビー活動」とは何ぞや?本編を観れば一目瞭然の活動のようだが、「ロビー」という言葉がどうも違うことを想像させる。待合室的な一般的な意味とは別に、政治家の議員会館の中にある控え室という特定の場所を指すことに由来するそうだ。つまり、政治的な決定に影響を及ぼそうと活動することで、世論の操作にまでその行動は拡がる。
という極めて政治色の濃いミステリーサスペンス映画となっている。
題材は銃規制法案に対する賛成派と否定派の丁々発止な戦いだ。規制をさせたくない側から依頼された組織に属していた超切れ者の女性が、持ち前のヘンコツっぷりを発揮して、勝ち目の無い規制派の組織に寝返り、戦いを挑むというお話だ。
本作の良いところは、主人公の行動が正義とかへったくれを振りかざさずに、単にデカいことを成し遂げたいと表面的には見せかけているところだと思う。
非情にも思える数々の作戦を繰り出し、一旦は勝利を手にしかけるが、自らのスキャンダルにより敗退してしまう…かに見えるが、そのあとの展開は観てのお楽しみである。
用意周到に張り巡らせた伏線にアッと驚きましたぜ。
»»鑑賞日»»2019/09/04 U-NEXTにて

●原題:Miss Sloane
●制作年:2016
●上映時間:132min
●監督:ジョン・マッデン
●キャスト:ジェシカ・チャステインマーク・ストロング/ググ・バサ=ロー
●お薦め度:★★★☆

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