Kiss Me, Stupid

ねえ!キスしてよ

ディーン・マーチンというスターが、本人役でしかも評判通りの「女遊び大好き男」という設定で出演し、さらにそこが物語のキモとなっているというのが、当時としてはかなり斬新だったのではないだろうか。
主人公の度が過ぎる焼きもち男ぶりというのも前半ではサムさを感じてしまうが、ラストまで観ると必要な設定だったというのも頷ける。
娼婦と良妻が入れ替わるというドタバタぶりを描いているその裏で、倫理観までも入れ替わってしまっているのではないか?というちょっぴりシリアスな展開に、そこまでやるか!?と思ってしまった。

ここからはネタバレになってしまうが、イマイチ理解できないことがある。
最後のシークエンス、離婚のことで弁護士事務所に呼び出される件りだが、あれが本気なのかポーズなのかが判然としない。
コトの張本人であり、猛省を促されて然るべきガソリンスタンドの友人がニヤつきながら「ヨメハン側の証人で出席する」と言うのからして、ポーズだと感じるんだが、どうも100%そうとも言い切れない表現に感じてしまう。
そしてラストシーンでヨメハンが言い放つ映画のタイトル。もうここまで来ると完全にポーズだったんだなと思いたいんだが、なぜかそれでもそうとは思い切れない何かがあるんだよね。これは人にって感じ方は随分と違うんだろうが、自分にはそこにカタルシスが発生されない原因がある。ラストのセリフがそのまま映画のタイトルっていう作り方は非常に好みなんだけど。
»»鑑賞日»»2019/07/03»»U-NEXTにて

●原題:KISS ME, STUPID
●制作年:1964
●上映時間:125min
●監督:ビリー・ワイルダー
●キャスト:レイ・ウォルストン/ディーン・マーチン/キム・ノバク
●お薦め度:★★★

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