Sabrina

麗しのサブリナ

完全無欠映画として燦然と輝く「ローマの休日」に比べて、本作は大昔にテレビで放映していたのを何となく見たような記憶があり、なんか無理があるなあ〜な映画という判定をしていた。
その最たる理由はやはりハンフリー・ボガードがオヤジすぎるという点だろう。
しかしまあ世の中には、自分の父親よりも年上の男性が好みという女性もいない訳ではないからして、その部分に対してツッコミを入れるほどでもないということが判る年に漸くなって来たのだ。

ということで改めて本腰を入れての鑑賞をした。

働く気など毛頭ないが、女性の扱いにかけては右に出る者のいない名うてのプレイボーイな弟。反対に女っ気など全く無い仕事の鬼な兄。この二人が住む大豪邸の使用人である運転手の娘は、プレイボーイの弟にぞっこん惚れているという設定。
この時点で、なんでこんな軽い奴に我等のオードリーが惚れとるんや!しかもこの軽男はオードリー様なぞ眼中に無い為体テイタラクとは、無理があり過ぎるじゃないか。

自らを貧乏人と認定しているしがない運転手風情が、娘をパリに二年間も留学させることが出来るというのも無理があり過ぎるじゃないか。しかも大した目的でもないお料理教室だと?巫山戯ふざけるんじゃねえ!

とまあ、ツッコミどころ満載な訳ですが、そこは流石の名匠ビリー・ワイルダー監督、サブリナの気持ちを弟から兄へとシフトさせる表現の塩梅は絶妙。
特に恋の手練手管を知り尽くした弟ならではの、朴念仁な兄への粋な計らいはお見事。まあ会社がどうなるかは知らんけど。
そして全ての伏線を回収したラストシーンにホロリとさせられる。
»»鑑賞日»»2019/01/20

●原題:Sabrina
●制作年:1954
●上映時間:126min
●監督:ビリー・ワイルダー
●キャスト:オードリー・ヘプバーン/ハンフリー・ボガード/ウィリアム・ホールデン
●お薦め度:★★★★

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