Elsker dig for evigt

しあわせな孤独

「ダンサー・イン・ザ・ダーク」のラース・フォン・トリアーで有名なドグマ95運動による作品である。簡単に言うと10個の厳格なルールに縛られて制作するという、ある種、実験映画とか非商業映画になりがちな作品群の一本だ。
その覚悟の上で再生ボタンを押した。
アスペクト比は3:4。画質はどう考えてもビデオカメラによる撮影だ。10個のルールの1つに「最終的なフォーマットは35mmフィルムであること」というのがあるが、「最終」がフィルムであればよいので、ビデオ映像をフィルムに焼いたっちゅうやつだろう。
つまり映像の質は全く好みではない。地方局のテレビドラマかと思うような画質だ。でも出演者がスゴい。今ではデンマークを代表するマッツ・ミケルセン、自分的には「特捜部Q」でお馴染みの苦虫噛み潰しおじさんニコライ・リー・コスが出ている。
»»鑑賞日»»2020/12/15

紛らわしいぜ

この邦題「しあわせな孤独」と以前紹介した「幸せなひとりぼっち」は紛らわしすぎますぜ。
観てから時間が経過しての紹介だから、はっきり言って本作の存在を脳みそから消去していた。思わず「幸せなひとりぼっち」を二回紹介するところだった。スマン。
ということからもお判りのように、内容については言及することができない。たしか不倫ものだったような気がする。
代わりに題名について考察してみよう。
デンマーク語の原題「Elsker dig for evigt」をグーグル翻訳先生に打ち込むと、「永遠にあなたを愛しています」と吐き出された。ふむふむ、これのほうが判りやすい題名ですな。

さすがにドグマ95関係の作品だからか、とってもマイナーな存在らしく、DVDパッケージのサムネイルも小さく、残念な扱いを受けている。監督さんはスサンネ・ビアという俊英で、本作で注目され、「未来を生きる君たちへ」でアカデミー賞を受賞している。

●原題:Elsker dig for evigt
●制作年:2002
●上映時間:113min
●監督:スサンネ・ビア
●キャスト:マッツ・ミケルセン/ソニア・リクター/ニコライ・リー・コス
●お薦め度:---


◉悪党に粛清を

007のヴィランを演じたりと国際的な活躍も目覚ましいマッツ・ミケルセンの主演作品。
2017年の7月に観ていた。例によって当時の日記を紐解くと…
“デンマーク人が主人公な異色の西部劇。
原題salvationは救いとか救出とかという意味らしい。
てっきり復讐という意味かと思っていた。
まず、オープニングのぼかし映像が美しい。
時代は明治一桁代にあたる。
作劇としてはそんなに特殊なことは何も無いと言えるが、何か従来の西部劇と違うのはなぜか?明らかにマカロニ系とは違うよね。
主人公がクリント・イーストウッドだったとしら、あそこまで痛めつけられないだろうし、もっと飄々と仕事をこなしているような気がする。しかし、今作の主人公マッツ・ミケルセンにおいては何だろうね、何かが違う。実質かなりの手練なんだが、観客にとっては先入観がないから、強いのかどうか判らないところがいいのか?
生き残ったのはかなり運が左右している部分が不自然ではない。
また、ラスト、まあ言えば仇同士が手に手をとりあって旅立つというのが、ちょっと無い結末と言えましょうか。”