Blade Runner 2049

ブレードランナー 2049

本家「ブレードランナー」は映画館、ホームシアター共に1回ずつ観ている…ハズなんだが、『強力わかもと』以外の記憶がない。たぶん寝ていたんだろう。
という訳で本作も睡眠薬になる可能性が高い。しかも3時間近い超大作なので、よほど体調を整えてからでないと鑑賞に臨めない。

メッセージ」同様に、なかなか静か〜な色調ではあるが、圧倒的な世界観の構築と大迫力の音響効果のおかげか、眠くなるどころかもっと観ておきたいと感じたのは、それとも午睡ひるねを貪った賜物だろうか。
とにかくこの世界観の作り込みは、さすがリドリー・スコットの名前を出しているだけのことはあると思える。特に主人公の家に住んでいる(?)、お手伝いさんとも恋人とも思える女性の存在が大きい。彼女は単なるロボットでもなくホログラムでもなく、発展型AIとも言える感情、イヤ、タチコマが欲しがっていたゴーストを手に入れているように見える。
言ってしまえば小道具に過ぎないのだが、このsiriの未来予想図かもしれない女性がいるといないでは大きく世界観が違ってくるに違いない。

そして前作の主人公デッカードの隠れ家だ。
いわゆる爆心地という地理を逆手にとっている設定だと推察できるが、ここが当時(前作の終了した時点か)そのままの放ったらかしという状態だろう。おそらくカジノ的な遊興施設だったのだろう。そこにあるステージではエルビスショーが毎夜繰り広げられていたという設定がニクいぜ!このヤローだ。
このショーが、何かのバグで再現される具合といい、それが超立体3Dホログラムとでも言えばいいのか、R2D2から投影されるレイア姫的なショボいものではなく、ステージから降りて来さえする具合が、恐ろしいまでの作りこみだ。
これまた、この表現なんて本筋とはなんら関係のないものなのに、ここまで性根を入れていることに製作者の本気度を感じるのだった。
»»鑑賞日»»2020/12/16

●原題:Blade Runner 2049
●制作年:2017
●上映時間:163min
●監督:ドゥニ・ヴィルヌーヴ
●キャスト:ライアン・ゴズリングハリソン・フォード/アナ・デ・アルマス/ロビン・ライト
●お薦め度:★★★★★


◉プリズナーズ

前作の「複製された男」みたいな感じだったら…と思い、少し敬遠していたが、判り難い所はなく、なかなかの一級サスペンスだった。
ミスリードを誘う様にも作られているが、実は全てがリンクしている。
カンのいい人なら、アレックスの「僕はアレックスじゃない」という言葉で真犯人を察知できるだろうが、凡百の観客である私は、真犯人にアッと膝を打った。
2016年7月観賞