Magical Girl

マジカル・ガール

これはこの題名から想像される内容とは対極にある展開だ!
とにかく意表を突く。
アバンタイトルに「何の意味が?」と思っているうちに謎のアニメソングで始まりドギモを抜かれる。
てっきりこの親子のキセキのお話かと思いきや、物語は意外な方向へと突き進む。
そして段々アバンタイトルの意味が判ってくる。イヤ、正確には判らない、なんとなく想像させられるだけだ。あのバルバラと教師の間に何があったのか?非常に気になるが、そこはぼやかされている。しかし、それでよいのだ。
そして最後のセリフにお見事!と言ってしまうのだ。
そして流れる音楽は「黒蜥蜴の唄」、ピンクマルティーニのカヴァーバージョン。

ありきたりな作劇へのアンチテーゼと言える作品だ。
白血病→可哀想→奇跡(マジカル)→ハッピーエンド
という図式を誰しもが思い浮かべる。
だからこそ、この映画の真価が発揮されるハズだ。
なのに、宣伝材料で、フィルムノワールだとか、悲劇の始まりだとかと謳ってしまっているのは如何なものか。(と、ここに書いてしまっているのも同様に如何なものかではあるが、でもジャケットにまで書いちゃってるもんね)
たまたま自分はそれらに全く触れなかったので、思う存分映画を堪能できた果報者である。
»»鑑賞日»»2016/10/20

●原題:Magical Girl
●制作年:2014
●上映時間:127min
●監督:カルロス・ベルムト
●キャスト:ホセ・サクリスタン/バルバラ・レニー/ルイス・ベルメホ
●星の数:★★★★★


◉由紀さおり&ピンク・マルティーニ/1969

これのおかげで由紀さおりの過去のオリジナルアルバムがジャンジャン復刻された恩恵は大きい。昭和歌謡の人の場合、たいてい入手できるのはベストアルバム程度なのに、さすがアメリカでヒットともなれば扱いが違う。でも、ピンクマルティーニって一体誰?って思うのは自分だけだろうか。「黒蜥蜴の唄」にまで手を拡げるとなると、恐らくアメリカの昭和歌謡フリークなおじさんなのではなかろうかと推測する。タランティーノみたいに特定のジャンルでは日本人より詳しい人だったりして、とも想像する。

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