BEING THERE

チャンス

なんとも不思議なお話。コメディと言うより風刺と言ったほうがスワリがいいジャンルの映画だ。言ってみれば、落語の「こんにゃく問答」の親分を山下清を演じている芦屋雁之助が演じているようなお話と言えば解りやすいだろうか。余計に解らんか…。
ピーター・セラーズをまともに観たのはこれが初めてなんだけど、この精神的に障がいがありそうでなさそうで一見立派な紳士にも見える男という、非常に難しい役を演じているというのはさすがですなと思う。
この精神障がいという表現がちょっと難しい所なんだけど、そういうのでもない、知能に問題があるというのでもない、純粋すぎるというのも違う、たとえるなら、都会というジャングルの中に浮かぶ孤島で育ったターザンみたいな人というのがしっくりくるかもしれない。

おばあさんになってからしかを知らないシャーリー・マクレーンが、さすがというかなんというか実はベッピンさんだったんだということを再認識させてくれる。
冒頭からテレビの画面だったり音声がジャンジャカ多用されてウザいなあと感じる作りになっているが、それは必然性があってのことだったんだと段々解る仕組みになっている。
»»鑑賞日»»2019/07/10»»U-NEXTにて

「2001年宇宙の旅」のBGMでお馴染みの「ツァラトゥストラはかく語りき」は実はニーチェの著作だそうだ。ニーチェという人も名前だけは知っているが、哲学者だか思想家だかで、まあ自分には全く接点のない人なんだけど、その「ツァラトゥストラ…」を下敷きに本作が作られているそうな。
以上、wikipedia情報でした。
ピーター・セラーズはキューブリックの「博士の異常な愛情」で主演しているから、そこらへんもちょいとリンクしてたりするんだなとちょっと気が付いた。

●原題:BEING THERE
●制作年:1979
●上映時間:130min
●監督:ハル・アシュビー
●キャスト:ピーター・セラーズ/シャーリー・マクレーン/メルヴィン・ダグラス
●お薦め度:★★★

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