ARRIVAL

メッセージ

この監督の作品は数えてみると、これで5本も観ていることになる。うちの一本「複製された男」が難解ワケワカメだったので、今作もその危険がありそうな予感がして、観るのに躊躇していたが、ついに思い腰を上げた。
結果は観て正解。
描き様によっては三流のバカ映画になりそうな題材を、よくぞここまで格調高く仕上げたものだと拍手を贈りたい。
開幕最初の一言から伏線が張られていた。
如何にも伏線っぽい一言だから、それなりに気にはしていたが、いつしか本編に惹き込まれて行く。

全体を通して薄暗く、望遠レンズを多用したボケ味の濃い顔のアップなどが多く、落ち着いたトーンで物語は進行する。加えてフォレスト・ウィテカーの登場でさらになぜか安心感が増幅する。
アクション性は一度の爆発シーン以外は皆無と言ってもいい。そこがこの映画の真骨頂と言えるかもしれない。SFという名を借りたヒューマンドラマというのが正しいジャンルとも言えましょう。
映像はしっとりと落ち着いているが、反対に音響はかなり攻めている。音響効果というものがこれほど映画に影響を及ぼすということの作例みたいな映画だ。

冒頭からなかなかUFOの実物を見せず(とは言っても宣伝材料でアホほど露出しているが)、間接的にその異常さを描く手法は、よくある方法だが、これがかなり功を奏しているとあたしは思いますね。
そして時々挟まれるフラッシュバック映像に見事騙されて気持ちの良い完敗を喫した。総じてこの監督はミスリードを誘うのを得意としていると感じた。参りました。
»»鑑賞日»»2018/11/18

主役のエイミー・アダムスは、ザック・スナイダー版スーパーマンのガールフレンド役の人だったのか。あの役をするにはチョイと年齢が高めな気がしたが、今作にはちょうどいいキャスティングでしたな。フラッシュバック映像の関係もあるから、年齢が高そうにも見えるし、そうでもなさそうにも見える塩梅アンバイが見事にマッチしていると見た。

●原題:ARRIVAL
●制作年:2016
●上映時間:116min
●監督:ドゥニ・ヴィルヌーヴ
●キャスト:エイミー・アダムス/ジェレミー・レナー/フォレスト・ウィテカー
●星の数:★★★★★


◉第9地区

主役が小役人か学者かの違いはあるが、こちらも同じシチュエーションの映画。
古くは「未知との遭遇」というタイトルもあるが、この「第9地区」も傑作の1つ。格調高さではなく、ドキュメンタリータッチを追求したCGが素晴らしいし、良い曖昧な終わり方の1本でもある。

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