Ordinary People

普通の人々

オーケー、正直に言おう。面白くない。
題材が題材だけに、面白い(=笑える)内容である筈でないのは当たり前だが、「映画」としてチョイと小難しい部類に入る作品なので、アカデミー賞を獲ったということもあり、これを良い作品だと言わないと知的センスを疑われる風潮に敢えて反抗したい。

本作が公開された当時、二枚目俳優が監督してアカデミー賞まで獲得した!という自分の中ではエポックメイキングな出来事として、また、このなんとも有りそうで無いタイトルと共に記憶に刻まれているんであるが、なぜか映画館に出向こうとは思わなかった。
それから幾星霜、ついに我がホームシアターシステムに掛ける日がやってきた。
この作品でインパクトがあるのは矢張りそのタイトルだ。どんな「普通」が待ち受けているんであろうか?と好奇心を掻き立てられる。
たしかに問題が劇的に解決するでもなく、異能者が現れるでもなく、登場人物たちは、ただただ悩んでいる普通の人々だった。そして問題は解決したのかしていないのか、よく分からないまま終劇を迎えるのだ。まぁ現実なんてそんなもんで、恐ろしくリアリティがあると言える。ということは看板に偽り無しなので、観客は実は裏切られていないのだ。
でもそれでいいんでしょうか?
何のカタルシスもなく、かーちゃん出て行っといて、とーちゃんと息子が抱き合って終りでは、「ホンマに普通やったわ」である。
許されざる者」では内容とタイトルの整合性に感激したモノでありますが、本作には裏切りをこそ期待していたのかもしれない。
»»鑑賞日»»2019/11/28

●原題:Ordinary People
●制作年:1980
●上映時間:124min
●監督:ロバート・レッドフォード
●キャスト:ドナルド・サザーランド/メアリー・タイラー・ムーア/ティモシー・ハットン/ジャド・ハーシュ
●お薦め度:---

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