CASHBACK

フローズン・タイム

イギリス映画なのになぜかフランスのゴーモンが配給しているというナゾの仕様。
最近アマゾンで検索をかけると、なぜかこのタイトルが「こちらもいかがですか」コーナーに矢鱈と現れるので借りてみた。
レビューを読むともなく読むという斜め読みをしたところ、概して言えるのは、お色気目的で借りたのに意外とイイじゃねえか!ということだ。

皆さんの意見は言い得て妙で、そのとウりだ!と言わざるを得ない。
オープニングはスローモーション+独白というちょっとアート系な始まり方で期待値が上がる。しかしそこから中盤までは煩悩のカタマリとまでは行かないまでも、煩悩のコブシくらいのお色気率が高くなる。
時間を止めるという特殊能力を使ってヌードデッサンなどをしまくるという蛮行に及ぶが、主人公はいちおう画学生なので、一概に蛮行とは言い切れない曖昧さがある。しかし観客としては目の保養をさせてもらったのは間違いない。
そして映画自体の立ち位置を危うくさせているのが、バイト先の店長と同僚たちだ。コイツらの描き方がアホすぎてかなり品位を下げているように思う。特にフットサルのシークエンスは画面自体に安っぽさが充満していて、全く必要ないんじゃないのかとさえ思う。これの所為セイで安っぽいコメディに成り下がりかけている。

イイ話じゃねえか!のイイ話の部分が物語の終盤に突然現れる。伏線はたしかに張っているが、成功具合にチョイとワザトラシサが匂ってしまう。でも、この時間配分の仕方は嫌いじゃない。
»»鑑賞日»»2018/11/04

たしかにこのジャケットはうまく出来ている。思わず手に取りますな。経営戦略としては当たり前の作法ですな。この女性をヒロインに据えたほうがいいんじゃないかと思うような出来映えだが、この女性はほぼ無関係。一言のセリフも無いし、殆ど動きもない。この女性はモデル専属で演技がからっきしダメなのだと推察される。

どうでもいいことだけど「スイスアーミーマン」に続き、監督とキャストに同じ名前が多い症候群第二弾だ。

「CASHBACK」という原題もイマイチよく判らない。たしかにセリフでキャッシュバックと言う言葉は出て来て、時間を売っている的な感覚で言っていたように思うが、なぜ単純に「売る」とか「買う」とかの言葉ではないのか?スラングか?
検索を掛けるとCASHBACKは和製英語だという説もあるが、「英辞郎」というサイトでは、いわゆる現金還元のシステムとは別に、スーパーのレジでデビッドカードを使って現金を引き出すことを「キャッシュバックしますか?」という使い方をするとある。
ふむふむ。しかも例文としては、現金還元のほうはドルを使い、デビッドカードのほうはポンドを使っているところをみるとイギリス特有のシステムなのかもしれない。
たしかに映画内ではこのシチュエーションで使っていた。レジ係のヒロインが客にそう尋ねていた。
つまり主人公の持つ時間銀行の時間を、スーパーでの労働時間に引き出している…とまあ、そういった解釈で間違いないでしょうか?

●原題:CASHBACK
●制作年:2006
●上映時間:102min
●監督:ショーン・エリス
●キャスト:ショーン・ビガースタッフ/エミリア・フォックス/ショーン・エヴァンス
●星の数:★★★

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