The Invisible Man

透明人間

先日の「アップグレード」に続いてオーストラリア製のホラー作品。
「アップグレード」同様、攻殻機動隊に激しく影響されているのではないか?と推察される。というのも、妙な薬品を飲んだり遺伝子操作をしたりといった非現実的な話ではなく、攻殻で言うところの熱光学迷彩のスーツを開発していた!っちゅう話なんですわ。
しかも最初はそれを特にフィーチャーするでなく、見ようによっては、霊的なホラー現象にも思わせるような描き方で観客を惑わせてくれる。この塩梅が非常に宜しい。
犯人が如何にして透明人間に成りせしめたかをなかなか明かさない手法が功を奏していると考える。
本作で最大の疑問は、主演女優さんのキャスティングだと思う。失礼な話だとは承知しているが、そんなにあらゆるものを投げうってでも執着するような女性なんだろうか?という考えが、頭の中を鑑賞中ぐるぐると駆け巡っていた。劇中でも本人がそういった趣旨の言葉を投げかけているから、犯人の異常さを際立たせる演出の一環なんだろうとも思えるが、それにしても…である。しかし、ああいった異常事態に放り込まれた人間の疲れ切った表情としては恐ろしくリアルな演技である…というのも事実だ。
»»鑑賞日»»2021/05/01»»Amazon Prime

●原題:The Invisible Man
●制作年:2020
●上映時間:124min
●監督:リー・ワネル
●キャスト:エリザベス・モス/オルディス・ホッジ/オリバー・ジャクソン=コーエン
●お薦め度:★★★★★