JOKER

ジョーカー

最近流行りのDCユニバース内の作品かと思いきや、それらとは全く関係のない独立した作品だそうだ。たしかにその通りで、70年代の作品かと思うようなクラシカルな雰囲気を演出しており、今様の派手なアクションや大胆なカメラワークなどは皆無だ。だからと言って古臭さを感じることはない。それよりも、主人公がキモい男を前面に押し出しているから感じにくいが、実は圧倒的な映像美を誇っているのではないかとさえ思われる。
バットマンの世界観には全く詳しくないが、話の流れや造りは、ガンダムワールドにおける「機動戦士ガンダム THE ORIGIN」と合致すると考える。ジョーカーが如何にして誕生したかを描きつつ、ブルース・ウェインの幼少期もきっちりと押さえている。
しっかし、暗い。そして重い。
あんなに哀しい男と、ジャック・ニコルソンが演じていた頃のジョーカーとがリンクしない気がするが、ヒース・レジャーが演じた男とは近しいように感じる。
それにしても、ホアキン・フェニックスという俳優は正に「怪優」の称号に相応しい。そんなことは大したことではないのかもしれないが、「ビューティフル・デイ」と本作では同一人物とは思えない違いっぷりには驚くばかりである。
»»鑑賞日»»2020/10/25

●原題:JOKER
●制作年:2019
●上映時間:122min
●監督:トッド・フィリップス
●キャスト:ホアキン・フェニックスロバート・デ・ニーロ/フランセス・コンロイ/ザジー・ビーツ
●お薦め度:★★★★