UNFAITHFUL

運命の女

何よりも映像が素晴らしい。
これを格調高い映像というのかもしれない。

たしかリチャード・ギア主演のミステリーという認識だったんだけどなぁ?記憶違いかな?と思わせるような「不倫もの」ですやん!と中盤の終りごろまで考えていた。
邦題とジャケット写真から想像する勝手な予想では、リチャード・ギアが途轍とてつもない美悪女に翻弄され犯罪に手を染めるか罠にめられるかして逃げ回るが最後には無実を証明する…という気分だったんだが、リチャード・ギアは暢気なマイホームパパで、ヨメはんはダイアン・レインだから美人であることは間違いなく良妻賢母なのにフトしたことで不倫に陥ってしまうという内容を終盤近くまでその後ろめたさまでもを説明臭くなく、ほぼ映像のみで判らせてくれるのだ。
実に素晴らしい。
あとは結末をどう持ってくるかに掛かっている。結末次第ではガッカリ度の高い作品になってしまう例は枚挙にいとまがないのだが、本作に限っては心配御無用だ。
ここまでのあらすじは起承転結の「承」までであり、きっちりと「転」が用意されていた。ここから急転直下に物語が転がり、今までのテイストをきっちりと保ったまま結末へと雪崩れ込む。そして実にイイ最終シーンで物語は終る。このシーンを良いと思うかどうかは好みの問題だと思うが、自分にはジーンと来ちゃうぜ!な風景だったんだな。風景描写も映画全体にわたって選び抜き考え抜かれた良い仕事をしていると思う。ロケハンの重要性というものを思い知らせてくれる。
»»鑑賞日»»2019/12/21

もしかして、これもリメイク作品なのかな?オリジナルはフランス映画かもしれない。エンドロールを見ているとそんな表記があったように見受けられた。→正解!→1968年のフランス映画「不貞の女」のリメイクだそうだ(wikipedia情報)。原題の「unfaithful」は「不貞」という意味らしい。
さらにもしかして、「真実の行方」と自分は混同していたのかもしれない。

●原題:UNFAITHFUL
●制作年:2002
●上映時間:124min
●監督:エイドリアン・ライン
●キャスト:リチャード・ギア/ダイアン・レイン/オリヴィエ・マルティネス
●お薦め度:★★★★☆