NO COUNTRY FOR OLD MEN

ノーカントリー

さすがコーエン兄弟、普通の筋運びにはならない。いろいろとセオリーを外してくれている。
そして何よりもシガーを演じるハビエル・バルデムが凄すぎる。各賞総なめというのも頷ける異様な存在感を放っている。
ハビエル・バルデムは「海を飛ぶ夢」や「007スカイフォール」で観ているはずだが、ほとんど記憶に残っていない。「海を飛ぶ夢」は作品自体は憶えているが、主役がこの人だったというのは全然思い当たらない。
それというのも、今作の役柄が異様すぎるからだろうか。
まず武器が普通じゃない。そして余りにも冷酷無比。
対するジョシュ・ブローリン演じる所のモスもかなり頭が切れる男なところが良い。
そしてウディ・ハレルソン演じる賞金稼ぎのはったりぶりもいい味出している。
トミー・リー・ジョーンズの老保安官もしみじみとした良い役だが、結局何もしていないのも最終的には良かったのかもしれない。

シガーとモスの頭脳戦で決着を着けるかに思われたが、そうならないのがコーエン兄弟なところかもしれない。原作がそうなっているのかもしれないが、普通のハリウッド映画なら原作を書き換えてでも、対決させているだろう。ストーリー上は戦っているかもしれないが、全くそれを見せていないのが凄い。それを観たかったというのもあるが、ではやっぱり老保安官が活躍するのか!?
と思わせておいて、何もしないというのがなんとも評価の別れるところだろう。自分的にはそれでもいいと思うんだが、見た夢をヨメハンに語って幕となるのは、どうも着いて行けない。これは悪い曖昧だ。天下のコーエン兄弟に誰も逆らえないだろうし、これが判らなきゃ通じゃないみたいな風潮があるのも想像がつくが、断固としてアレはヨロシクない。
»»鑑賞日»»2018/11/25

●原題:NO COUNTRY FOR OLD MEN
●制作年:2007
●上映時間:122min
●監督:コーエン兄弟
●キャスト:ハビエル・バルデム/ジョシュ・ブローリントミー・リー・ジョーンズウディ・ハレルソン
●お薦め度:★★★★☆


◉トゥルー・グリット

こちらもコーエン兄弟による追跡もの。コーエン兄弟だから、一癖も二癖もある映画だとばかり思っていたら、至極真っ当な西部劇だった。それもそのはず、ジョン・ウェイン主演の「勇気ある追跡」という映画の原作を映画化しているとのことです。
終わり方もすっきり爽やかな傑作となっております。
とらわれて夏」を観るまで殆ど意識しなかった俳優さんだけど、ジョシュ・ブローリンはコーエン兄弟作品の常連だったんですね。

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