人狼 JIN-ROH

人狼 JIN-ROH

やはりコレは名作。
恐らく、旧体制のセル画アニメ時代の終焉を飾るであろう作品だと思う。
とにかくなんでもないシーンでさえ、恐ろしく丁寧に作り込まれている。
そして印象的な音の多い作品でもある。
特機隊の放つマシンガン(?)の乾いた重低音。伏の声優も良い。
しかし、この画質の悪さは何だ?天下のIG作品とは思えない。映画館で観てもこの品質だったんだろうか?
»»鑑賞日»»2008/01/22

このマスタリングの悪さは返す返すも惜しい。

恐らく4回目くらいの鑑賞になると思うが、そりゃ何回も観てたらアラも見つけるわな〜ってことで、チト残念な部分が目立ってしまった。残しておきたい20世紀のアニメの筆頭に入れておきたいと思っていたんだがな。
背景に割と雑な部分が見受けられた。
当時と今とを比べるのは酷だというのは百も承知だが、背景動画と言われる部分はまあ殆ど動いていない。
その分流石は沖浦監督、人間の動きは神動画。

今迄はハッピーエンドにならない部分がすごいと思い込んでいたんだが、今日はチト違和感を覚えてしまった。人狼チームにとっての敵を容赦なく抹殺するのはいいとして、ヒロインを敢えて亡き者にするという理由づけが、なんだかムリクリな理由にしか思えなかった。その程度の理由だったら、生かしておいても同じなんじゃねえの?って思えてしまい、ハッピーエンドにしないぜという作為の匂いがプンプンしてしまった。

地下水道にメンバーが私服で集結してくるサマはやはり今回もシビれた。
だが敵の存在理由がハッキリ言って理解できなかった。そんな囮を仕込んで血で血を洗うような戦いをせんならんような理由だろうか?
»»鑑賞日»»2018/07/04

押井守という人は、自分の中ではどうも苦手な部類の作品を作る。世界的な名声があるのが不思議に思えるくらいだ。
唯一すごいと思ったのは「うる星やつら ビューティフルドリーマー」くらいなものだったが、それも公開当時に劇場で観てのことで、後年DVDで見返した時にはガッカリ度が高かった。
それよりも弟子筋に当たる人のほうが遥かに優れていると思っている。
劇場版「攻殻機動隊」(いわゆる第二の攻殻)を観てもたいして感銘はうけなかったが、神山監督版の「攻殻機動隊SAC」は神懸かり的なクオリティを呈している。その流れで観た「イノセンス」には再びガッカリしたものだ。画のクオリティはすごいが、話がどうでもいいレベルなんだよね。まあ「攻殻機動隊SAC 2ndGIG」にはがっかりしてしまったという残念な事実もありますが。
本作「人狼 JIN-ROH」も弟子筋にあたる沖浦啓介が監督したから、押井守が持つネチっこさを薄めることができたんじゃないかな?と思うのである。題材が如何にもオシイオシイしているじゃないですか。押井守って自分の趣味爆発ですよね。ケルベロスになんでそんなに執着するんだろ?って。まあ趣味だからしょうがないか。ヘタに名声を得たから誰も忠告できないってことですかね。でも神山健治や沖浦啓介を育てたという功績は大きいので感謝であります。

画質についてだけど、DVD版が悪いのはもうしょうがないけど、プライムビデオ版でもどうもやっぱり悪いようなレビューが載っていた。この分ではブルーレイ版も期待は出来ない気がする。

●原題:人狼 JIN-ROH
●制作年:1999
●上映時間:98min
●監督:沖浦啓之
●キャスト:藤木義勝/武藤寿美
●お薦め度:★★★★☆

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