FORT BLISS

アイアン・ソルジャー

邦題やパッケージから想像するような戦争ドンパチもんではない。
アマゾンに書いてある内容紹介によると

国家か、家族か、勇気ある決断に誰もが胸を揺さぶられる―
最前線で命をかける米軍女性兵士の熱き誇りを描いた戦争アクション!

と堂々と書いてあるのに驚いてしまった。
どう見ても戦争アクションではないと思うんだがね。
自分が紹介文を書くとすれば…

アフガンから帰還したマサに鉄のような女兵士の育児日記。
鉄の兵士も泣く子供には勝てません。

とでも表現すれば多少は面白そうな紹介文になるかな?
イヤ、別に女兵士がドンパチ大活躍するのを期待していた訳ではない。この紹介文は、まあ当たらずといえども遠からずだと思うが、なんとなく、この主人公の女兵士は実在の人物で、その自叙伝を映画化しましたという気がする。みなさん、私ってこんなに大変なのよ!感が伝わって来て、ちょっと冷めてしまうんですよね。
仲間が自爆テロの犠牲者になるのを目の当たりにしても立派に勤め上げ、あまつさえ再入隊までもしてしまうとは邦題どおり鉄の兵士だ。
しかし平和ボケしたイチ日本人から見れば、なんとも理解できない猛者モサっぷりだ。
本人にしてみれば、15ヶ月も離れていた子供が懐いてくれず、元夫の彼女ばかりを恋しがるのが大問題なわけで、そこのところが物語の主題になっていくのかと思いきや、まあ現実とはそんなもんかもしれんが、日にち薬なのか、自然に「ママ」と呼ばれるようになっちゃう。ここの表現がどうも詫び寂びというか、至極あっさりとしている。まあそれはそれで、そういう表現もアリかなとは思うが、そこからの展開が想定外の出来事だったということもあるが、紆余曲折の末、またもやアフガンに出兵してしまうというのが、映画の焦点をぼやかしているんではないかいなと思うのである。まあそんなヒネクレタことを考えるのは少数派だと思うが。
これが元夫側からの視点の映画だったとしたら、お国の為という大義名分を振りかざす女に振り回される男のお怒り爆発ムービーになってしまうのではないかい?
ことほど左様に物語の二面性を簡単に指摘させてしまうのはチト拙い構造だと思われまする。
»»鑑賞日»»2018/12/29

●原題:FORT BLISS
●制作年:2013
●上映時間:116min
●監督:クローディア・マイヤーズ
●キャスト:ミシェル・モナハン/ロイ・リビングストン
●お薦め度:---

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