ヨーロッパほぼ一周食い心棒の旅#42 カストロ

うまか不思議ギリシャ篇ロゴ

ギリシャ第32日目 6月20日(火)

もっとちゃんと見ておけばよかったのに日記

シフノス島・カストロ

ゆっくり目覚めたっぷりの朝食をとると風が吹き荒れた。
チェックアウトプリーズをすると、おばさんはなんとパソコンを使って会計をしだした。しかし間違っていたとみえて、手書きで書き直してレシートをくれた。20000Δr渡して100Δrのお釣をもらった。
宿の名前の「ΜΥΡΤΩ」というのは花の名前ですか?とが尋ねると
「イエス。マイ ドーターズ ネイム」
と答えてくれた。そうか、あのおねえさんの名前がミルトか。私はおばさんの名前がミルトだと推測していたのだが。

バス停のある港の方面に行きつつ、買いもんしてから町に行くか、町に行ってから買いもんするか、それが問題だを提議したところ、後者にしようと議会は結論を出した。あっ、でもパン屋がありそうやからパンだけは買って行こうと矢印に誘われて路地に入ると、パンを持ったおっちゃんが
「君たちの探し求めているのはパンかね。それなら、この角を曲がって上に行くのじゃよ」
と一方的に教えてくれた。ご案内に従いパンを買い求め、バス停のベンチに腰掛けた。
あれ?あの兄ちゃんが運転しとる!
たしかさっきここに到着した時は、あの兄ちゃんは車掌さんやったハズやけど、オールマイティになんでもやるのがギリシャ式なのか?と観察してると、すぐにバスは停まった。そしてクラクションを盛大に鳴らしだした。
しばらくすると、すまんスマンと運ちゃんが乗り込み兄ちゃんと交替した。どうやら運ちゃんはカフェでチョイと一杯していたらしい。長閑のどかですなあ。
島の首都であるところのアポローニャには、もっとたくさんスーパーがあったと思い込んでいたが、まともと言えそうな店は1軒しか見当たらなかった。もっとちゃんと見ておけばよかった。
そのスーパーで米、塩、パスタなどを買ったが、これじゃあ下の町のほうが絶対マシだったと悔やまれた。向いの八百屋でトマト、にんにく、レモン、オレンジ、ナスを買い、タベルナに入ってチーズボール、野菜ボールを食べてみた。初めての味で、これはなかなかよかった。
大急ぎでマッチ、バター、ウインナーを買って、ついでに水も要るんでないかい?と言ってるとカストロと書いたバスがやってきて、ぐるりとロータリーを廻りだした。正確にはまだ10分あるハズだけど、ティラの例もあるので、水は諦めてバス停に急行した。乗り込むと有無を言わせず発車する。うーむ、やはりバスは早い目に限ると戒めた。
5分ほどでカストロに着いて、一目散にマルガリータ亭に向かった。ドアも開いているので勝手に入った。改めて見るとけっこう汚い。ベッドもふわふわのポヨポヨだし、最初の部屋なんぞ殆ど物置ではないか!トイレ・シャワールームも暗くて汚いし、おまけにガステーブルは大小あるけど、小のほうしか点火しない!こんなにいっぱい買いもんしたのにどうすんじゃ〜〜〜。もっとちゃんと見ておけばよかった。とりあえずホーキで掃き掃き、フキンで拭き拭き、シーツをパタパタして、マルガリータにガス点かんでェ〜と言いに行った。
やあやあやあとサーティーの旦那が上半身はだかでチョットおなかを出しながら出てきた。
「あのー、ガステーブルの使い方を教えてほしいんすけどー」
と穏やかに遠回しに言ってみると、ホイキタサッサとそのガステーブルまでやって来て、ここを押しながら回すんだよと実演してくれた。するとちゃんと点くではないか。ありゃりゃ、同じようにしたと思うんやけどなあ。もっとちゃんと見ておけばよかった。
でもやっぱり汚いのに間違いはない。うがいをすると水もヘンな味がする。こりゃあ暫く誰も使ってないってことだな。昨日はウカレポンチで、そこまでは見抜けなかった。しょうがないので外で絵を描いてやった。おばあちゃんがオレオーと言ってのぞき込んで来る。
水を買いに行くとスーパーらしきものがあったので入ると、そこはどうやら昨日の昼めしをしたタベルナの裏口のようだった。全然冷えていないとしか感じられないので、コールドはないかと訊いてみたが、これでグッドだわよと言われてしまった。まー、冷蔵庫もあることだし、そこで冷えるのを待ちましょうと120差し出した。しかしマルガリータ亭の冷蔵庫はエラくトロいのであった。もっとちゃんと見ておけばよかった。
さて日も傾いてきたので、にんにく炒めナス炒めトマト炒めソースを作ってパスタ茹でてからめてハイ出来上がり。第二の皿は、じゃがいも蒸かしパセリレモン添え。
トマトがとてもよい味を出しているのでヒジョーにうまかった。キャンプと思えばここの生活もマシかと悟りを拓きかけていたけど、料理に関してはキャンプ以上の出来の合格点だった。ガスは最初の印象はどこへやら結構火力があったので助かった。これはちゃんと見ておかなかったけどよかった。
食後にオレンジを食べてると、山羊が向いの山から降りてくるの図を目撃してしまった。ミーハーな言い方で恐縮ではありますが、アルプスの少女ハイジのペーターを頭の片隅に描いてしまいました。チーズが食べたくなる。
時間軸は遡るが、めしを作る前に、ジュースも買っておこうではないかと、お菓子屋さんのような店で2本まとめ買いをしたら「ベリーベリーエクスキューズミー」と言いながらお釣を5や10、20の小銭ばかりで320もらってしまっていたので、少なくなってしまった水を補給しがてら、そのお菓子屋さんに出向き、極冷え水の支払いをその小銭ばっかりでお返ししてやった。さっきと同じおねえちゃんはアッハッハッハと笑ってくれた。
パン焼き窯みたいな設備があるので、ここはパン屋さん?と訊くと
「パイ屋なの。クリーム、チーズ、ソーセージ、ほうれん草といろいろあるわ。パンはその冷蔵庫に入ってるのだけよ」と答えてくれた、と我々の頭脳は認識した。
カストロのマルガリータ亭の間取り

マルガリータ亭の間取り図
大きさだけはイアの洞窟宿よりも立派だが、入口の一部屋は使いモンにならない。
テラスからは海が見える。階段を降りたテラスの下に冷蔵庫がある。

涼みがてら散策すると、昨日マルガリータに呼び止められた場所のほど近くに EOT マークのついた綺麗な ROOM TO LET があるではないか。あー、もっとちゃんと見ておけばよかった。村の端っこに出ると(すぐに端に到着する。端から端でも5分くらいしかかからない)、お金持ちの別荘と思しき豪奢な家がひっそりと建っていた。横でネコがエサ(?)を貪り喰っている。日は完全に沈んだ。
今度はテラスで涼みがてらコレを書いていると風は強く波の音が激しく聞こえてくる。時々地響きのような音も聞こえ、涼みがてらなんて言ってられない状態になってきた。ちょっと地震を思い出してしまう。こんな家、地震があったら一発やなーおーこわと思っていたら、やはりが、明日だけで出ない?と言い出した。
シャワーを恐る恐る浴びると、驚くべきことにお湯がまともに出る。目ざとく見つけたスイッチはやはりシャワー用のものということで当たりだった。ちゃんと見たからよかった。ふーむ、最低限のものは一応まともであったな。しかしブルガリアなんかだと、このぐらいだったらいい方だったりして…とフト思ってしまった。
ベッドに転がっていると、サーティーの旦那の部屋と思われる隣の部屋から水戸黄門のBGMらしき音が漏れ聞こえて来た。もしかしてギリシャではゴールデンタイムに時代劇をやっていたりして。アニメなどは大量に輸出しているからあながち無いことも無いのだ。ああ、うっかり八兵衛になりたい。

ブルガリアなんかだと
なかなか鋭いことに気づいている。そのとウりなのだ。この時点で予見していたとは我ながら驚きだ。(←それほどのことか?)

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