ヨーロッパほぼ一周食い心棒の旅#45 アポローニャ

うまか不思議ギリシャ篇ロゴ

ギリシャ第35日目 6月23日(金)

おっぱいぽろりんを考察する

シフノス島・アポローニャ

19日の日に発見していたアルティモナのパン屋さんに向かう途中、会う子供たちはみんな両腕に抱えるようにパンを持っている。パンを買いに行くのは子供の仕事ということか。
店内は活気にあふれ、天井まであるような巨大な窯がそびえ立っている。見とれていると、エッサホイサと駕篭かきみたいに2mはある担架のようなものに丸めた生地を載せて運び、隣にある醗酵用らしき窯に滑り込ませている。

スイートパイを2個、丸型、ラグビーボール型を1個ずつ買った。受け取ったパンはどれもホカホカで、特にラグビーボール型は窯から出したのを直接もらった。全部で640。スイートパイをはふはふ喰いながら帰り、コーヒー沸かし、ラグビーボールにバター、ジャム、ネクタージュースのゴーカな朝食をいただいた。パンは焼きたてということもあるんだろうが、今までで最高のうまさだった。イタリアーノカップルはチョコビスケット、ヨーグルト、コーヒーだかココアなどの食事のようだった。
買いもんしていったん帰り、今日は再びこないだ泳いだビーチに行くことになった。バスで。なかなか来ないのだ、これが。ようやく乗り込み2人で460払って到着。テクテク歩くこと20分。出島の教会で初めての記念撮影をしてビーチに向かった。
ああ、このウニだらけのところなら泳ぎたいんだけどなあ。木陰に唐草風呂敷を敷いてヨコになる。この風呂敷はとても便利だ。テーブルクロス、毛布、ゴザ、風呂敷と4つの顔を持つ布切れである。
泳ぐ時はメガネを外しているから判らないのだけれど、今日は泳がないので、よく判る。あっちもこっちもポンポンおっぱいをほりだして泳いだり本読んだり日焼けしたりしているのだ。なんでそうなるの?隠しときましょうよ。満員電車で両手万歳しているオトーサンの苦労はどうなるの?こんなにあっけらかんとほりだしていいのと悪いのとの線引きはどこからになるんだ?ここは混浴温泉なのか?彼ら彼女らにとっては日常で慣れたことかもしれんが、こっちゃ非日常なんだよ。まだがいるから良かったけど、これが服を着た男が独りでこんなとこにいたら通報されるんちゃうか。遠くを見つめ黄昏れるのであった。

こっちゃ非日常
見慣れているとは言っても所詮彼奴らも男、興味がない訳はない筈だ。しかし平然と対応しているようにしか見えない。

最も暑い午后3時、ダラダラ坂を上り、電信柱の影でバスを待つ。電柱といえども日陰があるとないでは大違いである。風が心地よい。前にいる恐らくアメリカのおじさんおばさんたちは、何がナンでも日焼けするぞー、おーっ!と照りつける中、わいわいがやがやバスを待つのであった。
シャワーを浴びてちょっと早めの夕食の用意をする。
例によって野菜スープである。ただし肉系はヌキでズッキーニが入る。玉ねぎ炒めじゃがいも炒めブイヨン半かけらと水を入れ、ズッキーニ、トマトをぶちこんで塩少々ハーブぱらぱら。コトコト待つことしばし、仕上げにレモン1個絞り込む。皿にゴーダチーズ1枚敷いてスープをよそってハイ出来上がり。
何がそうさせるのか、ブイヨンかトマトかハーブか。むちゃくちゃうまかった。どこのレストランで食べるものよりも。何でこんなカンタンな料理を出さないんだろう。我々に合うだけで、こっちの人には合わないんだろうか。もーこれ以上喰えまへ〜んとごっつぉさんをした。

ゴチソウ

カンタンな料理
そりゃあ簡単すぎるから出さないんだろう。もしくは出しているけど目に付かないだけなのかもしれん。これってまあ言えばみそ汁みたいなもんだから、みそ汁だけをメインに出す店はそんなに無いのと同じ原理だろうな。

ホテルシフノス横に行く前にフィルム現像を依頼するべくバス停横のフジフィルムに行くと誰もいない。「おーい、もしもしー、こにゃにゃちわー」と声をかけていると、おねえちゃんが菓子折りをぶら下げて帰って来た。
「デベロップメントね。それだったらあそこに見える店に行ってちょうだい。ありがとう」と指さした。なんじゃそりゃ、他所の店を教えるぐらいなら看板出さなきゃいいのに。
ま、それがギリシャ方式なのだから文句を言っても始まらない。
その店に行ったものの、急速に面倒くさくなったので、いちいち説明しなければならない要件は頼まないことにした。「オンリーデベロップメントで頼んます」とだけ言うと、あっさり通じてOKサインが出た。「じゃ明日の11〜12時に」と答えが返って来た。
こうトントン拍子にコトが運ぶとなぜか欲が出てしまい「白黒も現像できますか」と訊いてしまった。
「どのサイズ?」と見本を指さされ現実に引き戻された。またハーフサイズのことをイチから説明せんならん。図解入りでようやっと説明したものの、結局明日の11時から一緒にやろうじゃないかということになってしまい、白黒のことは又もやお蔵入りとなってしまった。
広場に着くと人でいっぱいだったが、まだ始まっていない。もう9時が近いというのに、どこが8時からや。蚊に喰われつつ、子供たちのはしゃぎっぷりを観察した。3人兄弟が大声で走り回り、その親戚の子らしきお姉さんぶった娘がエラソーに「静かになさい!」とか言いながら自分も騒いでいる。
やっと挨拶も終り、きのう練習していた少女たちのコントが始まったかと思うとあっと言う間に終わってしまった。そしてダラダラと説明らしきものが始まった。ホテルシフノスのビールをおごってくれた兄ちゃんは独りでテキパキと働きまくっているが、疲れ果ててきた我々はもうよいのだよと帰ることにした。
端のほうをこそこそ通って出て行こうとすると、きのうの演奏人のおっちゃんたちや我々の宿であるバイバイガール亭のおっちゃんに見つかり挨拶を交わしてしまった。このまま帰る訳にもいかず、アイスクリームを買って舞い戻ると、ダンスタイムになっていた。
するとまたもやイタリアーノカップル現れ「チャオ」と挨拶してくれた。今日の彼らはクッキングをしてグッドパルティーをすると言ってたけど、食後の散歩に出て来たという訳か。しかし我々はへとへとになってきたので一曲終わったのを見計らって「チャオチャオ」と帰って来た。もう何だか新鮮さに欠けてきたのかもしれない。

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