ヨーロッパほぼ一周食い心棒の旅#37 イア

うまか不思議ギリシャ篇ロゴ

ギリシャ第27日目 6月15日(木)

オレンジパワーは世界を救う

サンドリーニ島・イア

8時過ぎに起きて、ネスカフェ、パン、バター、ジャムの朝食。パンがこれでもかっちゅうくらい固くて塩辛い。

ちょっと遠くのセントラルマーケットへ買い出しに行くことにした。階段を上ると出っくわした、上の部屋に泊まってる人が、わしの長袖シャツをさわって
「こんなクソ暑いのになんで長袖なんか着てるんだ!?」
と言ったようだった。そりゃアンタみたいにハダカでおったほうが涼しいかもしれんが、チッチッチのノンノンノンだ、判っておらんノウ。そうなった日にゃ日焼けして後で困ることになるんだよ。と言えたらいいんだけど、残念ながらその語学能力はない。
「そう、ベリーホットだがや」
とお茶を濁しつつ、その場を立ち去るであったことよ。いとあはれ。
買い出しから帰ってくると下に見える海がエラい綺麗だし波も無さそうなので、水着に着替えてクネクネと九十九折ツヅラオリの坂を降りる、ロバフンを避けながら。こりゃあ今度こそ帰りは大変だよ。下に着くとそこは、一昨日よりも更に鄙びた漁村。ホントに5、6軒だけの村だけど、タベルナが2軒もある。たしか看板にはナンタラビーチとあったけど、どこがビーチなんやろ。このタベルナの人が客を呼びたいがために、ビーチの看板を出したのではなかろうか?赤や黒の石、岩がゴロゴロしていて、あとは小さい桟橋があるだけ。とてもビーチという雰囲気にはほど遠いが…。
とりあえず小さな桟橋の端まで行ってみる。うひょー、綺麗きれい。小魚ピチピチ泳いでいる。ここに飛び込んだらさぞかし気持ちよかろう。が、ちょっとおいといて、上から見えていた方向に向かった。
まあまあ泳げそうな岩場があったので、そこで泳ぐことにした。けっこう水は冷たいし、海パンだけで岩の上に座っていると寒いぐらいであった。台風が来たらどないすんや?いうくらい海の際にある家のおじいさんは、小さな小さなゴムボートに立ったままでロープを伝って、それよりは大きいが、でもやっぱり小さい木の舟に乗り移ると、エンジンらしきものを修理しはじめた。しばらくトンカンやると治ったらしく、沖のほうをぐるっと一周して調子を確かめ、再びマイクロゴムボートで帰還しごはんを食べだしたので、我々も帰ることにした。
桟橋で飛び込むのは止めにして、石をポチャンと投げ込んだら、エサと間違えたのか、小魚、中魚、大魚がシュッシュッスイスイと近寄っては「なんだーエサちゃうんかい」と離れて行く。10回くらいやっても全部同じことの繰り返しをする。まあ10回も試すほうも試すほうだか。
さー、登りたくはないけど登りますか。上を見ずに下ばっかり見て歩くと意外としんどくない。シャンシャンという音が上から聞こえてくる。ロバくんだと思って端っこに寄って待っていると、乗っているおじさんが、反対側に寄ってくれという仕草をしたので反対側に移る。ヤーサスと挨拶をしてくれた。コチラの人はみんな挨拶をするとちゃんと返してくれる。当たり前田のクラッカーだけど、なぜかそれだけのことでも嬉しくなってしまうのだ。しかし日本にいたら、すれ違うだけの人に挨拶は滅多にしないのに、外国にくるとなぜかしてしまう。ただし相手が東洋人だと、何かヘンに身構えてしまって、出来そうで出来なくなってしまうのが世界七不思議の1つではなかろうか。

ヤーサス
オールマイティーに便利な挨拶。見知らぬ人にはコレを言っていれば大丈夫。ということらしい。
カリスペーラは「こんばんわ」だとばっかり思っていたら、「こんにちわ」だということが判った。んー恥ずかし。

さっきのはロバくんと思っていたら実はお馬さんだったが、今度はホントにロバくんがやってきた。なぜかこっちに寄って来て、一瞬止まろうとするので、ヤバい、ブリブリっとされてしまうのでは…と身構えたけど、そのまま素通りした。ヤーサス。
思ってたほどしんどくはなかったけど、やはり当然のことながら汗だくになってしまった。ボスに会うと「ベリーホット、ユア ルーム イズ ノット ホット。コールド」と言ってくれた。ヤーサス。
が仕掛けていた米鍋に火を点けてからシャワーを浴びると炊けていた。ウインナー、ナス、人参、ピーマンを炒めて、生みそずいとごはんを食べた。箸で。んーうまいうまい。生き返るようである。日本でいつも使っていた自分の箸で食べると、ますます不思議な気分になってしまうなあ。あー、うまかった、ごっそさん。
食後にオレンジを食べたら、これまた薄皮ごと食べることができてうまかった。その外皮で炒めもんの油を吸い取って、更にゴシゴシこすると、あーら不思議。つるつるピカピカでキュッキュッ音をたてるぐらいキレイになった。これはすごいことを発見した。毎食後オレンジを食べれば洗剤が要らない!洗剤を買わなくて良かった。
ミルクでネスカフェを溶いたミルクコーヒーを飲み(このミルクは普通にうまかった。賞味期限は4日間くらいと短い)、ひまわりの種を食べたらこれまたうまかった。ちょい塩辛いが、あのパンに比べたら何程のことがあろう。
またもや昼寝をしてしまい、夕方、買いもんがてらの散歩に出かける。今日も教会をのぞくと、志村喬とシンプソンがハモっていた。赤シャツはどうやらすっぽかしたようだ。安いスーパーを探し求めて遠くに行ったけど、結局高かった。
帰りに「どうかウチのパンを買ってください!」的な看板を出しているパン屋に入ってみたら、かなり無愛想だった。そういえば、ギリシャのパン屋は愛想が悪いと相場が決まっているようだ。
さて、本日のメーンエベント第二部、夕飯を作る。
じゃがバタレモンハーブ付き、焼飯、昨日のスープが今日のお品書きである。焼飯の具は、ピーマン、人参、ソーセージ、たまごである。しかしホント火力が弱過ぎるし、2つあるコンロも片方点けると残りは使いモンにならん。時間がかかってイライラしてしまうわい。この火力での焼飯は選択を誤りましたな。
などとボヤきつつも漸く出来上がった。本日は部屋の前にテーブルを出し、崖っぷちに建つフィラの町や我が家の灯りなどを眺めつつ&蚊に喰われつつ食したら、これまたうまかった。ボスが通りかかりボナペティと言ってくれた。ボスの旦那だと推察されるおっちゃんも通りかかり、カリスペーラと挨拶したのに無視してあっちに行ってしまった……。まあ、こういうこともありますわい。ここはモネムバシアの逆パターンのようだ。ゴキゲンおばさんとムッツリおじさん。
食後にはやはりオレンジパワーでキュッキュッをして後片付けをした。どうやら料理をするために1日を費やしているようである。さて明日の献立は……。

イアの洞窟宿の間取り

イアの洞窟宿5号室の間取り
もらった名刺に載っている文字では、どれが宿の名前なのか判らない。
おそらく
CHRISTOFOROS FITTROS
というのが宿の名前のような気がする。人の名前のようにも思えるが。
最近この場所をグーグルアースで見てみるが、どこがこの宿なのかは判らなかった。

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