Cloverfield

クローバーフィールド/HAKAISHA

ここしばらく過去にヨカッタと思った作品を観なおすことが続いている。記録によると本作は2008年の10月に観ているが「たしかに凄い」としかコメントしていない。たしかにその通りで、そうとしか言いようがない…てな訳にはゆかないっすよね?
だいたいの流れは憶えているが、細かいことが忘却の彼方なのはいつもの通りだ。
「ブレア・ウィッチ・プロジェクト」の二番煎じと言ってしまえばそれまでだが、圧倒的に違うのは予算の掛け方なんじゃないのかな?ということが鑑賞中に頭を駆け巡った。「ブレア…」はもうアイデアの勝利だったと憶えているけれど、二番煎じの本作はそれに超弩級の迫力迫真の映像を加味していることが、単なる二番煎じとは感じさせない別物へと昇華させている。
冒頭の相当長く感じるホームビデオ部分に何の意味が?とイラつく頃に突然、事件が発生する。そして結果的にはこの部分が非常にドラマ性を増幅させるニクい演出なんだけど、そんなに上手いこと重ね撮りしちゃっているのもどうかな?と思わせる作為性をチラと感じるのもご愛嬌というところか。
しかしこのタメがあるから「怪獣」が動き出してからの非日常性が生きてくるのだろうと考える。タメ部分をカットして「怪獣」シークエンスから始めていると、非日常が日常になってしまう可能性があるんじゃないのかな?
記憶の中では「怪獣」の全貌は最後まで判らなかった…と思っていたし、その形状はゴジラに近しい造作だったと思い込んでいたんだけど、そのどちらも間違いだった。
それにしてもコレどうやって撮ってるんじゃろ?と考えずにいられないシークエンスの連続で、恐れ入るばかりだ。「どうせCGでしょ」では済まされないクオリティにひれ伏すのだった。
»»鑑賞日»»2021/01/03
製作費について調べてみた

本作の製作費は2500万ドル(約27億円)で、ハリウッド映画にしては低予算の部類にあたるそうだ。比べて「ブレア・ウィッチ・プロジェクト」は、6万ドルとなっている。こりゃあ正真正銘の低予算ですわ。イヤ、表記には「超」が付いていた。
ちなみに、ほぼ・・続編にあたる「10 クローバーフィールド・レーン」は1500万ドルで、本作より11億円も低い。

●原題:Cloverfield
●制作年:2008
●上映時間:85min
●監督:マット・リーヴス
●キャスト:マイケル・スタール=デヴィッド/マイク・ヴォーゲル/オデット・ユーストマン
●お薦め度:★★★★★