ゴォ〜ン

福井

さあ始まりました、有名店対決です。今日も解説は服部さんをお迎えしています。服部さんよろしくお願いします。

服部

よろしくどうぞー。

福井

そして、実況中継はわたくし福井です。さあ県泰豊ですが、服部さん、この店は小龍包で有名だということは、わたくしもわかっているんですが、どういった店なんでしょうか。

服部

えー、ここは確かね数年前までは小さな店だったと思うんですが、あまりにも小龍包が有名になって、お客を捌き切れなくなったので四階建ての店構えになったんじゃないでしょうか。

福井

なるほどぉ、店を大きくするくらいだから、かなり味のほうは期待できそうですね。おやー服部さん、橋本がバスから降りたのは、安東市場ですねー。確か、信義路二段は東門市場で下車のはずだった、と記憶しているんですがー。

服部

そうですね、『一週間も経つと台湾にもなれましたね』なんて豪語してましたから、その辺の気の緩みからのケアレスミスではないでしょうか。

福井

おっと、何やら頭を掻きながら歩いて逆戻りを始めましたねー、奥さんにぶつぶつと言われているもようであります。

服部

もうタクシーに乗るほどお金が残ってないんじゃないでしょうか、明日はもう出国ですからね。お金の使い切り具合には定評があるんですよ、この橋本は。

福井

出国間際になると、そのことで奥さんといざこざが絶えない、ということもわたくしは小耳に挟んでいるのですがぁ、ま、そのことについてはそっとしておきましょう。

15分経過

福井

やっと県泰豊を探し当てたもようです。トランシーバーを持ったシャオジェ、小さなお姐さんと書いてこう読むそうですが、その小姐に指示されて三階に向かいました。二階から上は橋本が入る店にしては珍しく、かなり近代的な内装ですね。さ、どのような注文の仕方を見せてくれるのでしょうか・・・まず、メニューいわゆる菜単ですね、これをじっくりじっくり漢字の意味をつかむように検討しています。

服部

そうですねえ、台湾の場合、というより中国語圏の場合は全て、全て漢字ですからね、だいたいその料理の雰囲気はつかめますよね。私もその勘を頼りにね、いっぱい頼むんですよ。

福井

しかし橋本の場合、手持ちの金は限られています。その辺り、どういう注文の仕方をしていくのでしょうかぁ・・・・・それにしてもこの店はかなりキレイですねぇー、こういう店は落ち着いて食べられるので、奥様方にはウケがいいとは思われるんですがー、悪く言うと、ファーストフードっぽいと言いますか、面白味が無いと言いますか、わたくしの場合、やはりきのう橋本がお忍びで行ってた台中にある嘉義米羔店のような店に魅力を感じるんですが、ま、わたくしのことはどうでもいいですね、この場合。

服部

いや、それねぇ、橋本も同じようなこと言ってるのを聞いたことありますよー。好みとしてはそうなんですけどね、これー、こういう店のほうがね、奥さんもすんなり承知してくれるから、レパートリーに入れておいたほうがいいというようなことを言ってましたね。

福井

なるほどー、その辺りの計算もしておかなければいけない橋本も、案外大変なようであります。おや、小姐に伝票とボールペンを手渡されましたねー。どうやら自己申告制のようですねー、ここは。

服部

これは、高松のうどん屋のねー、うどん屋のセルフ店を思いださせますねー。

福井

おや、何か書き始めましたね。う、ちょっとカメラ遠くて見えませんね・・・あ、寄ってくれました。なに何、おー、やはり当然と言えば当然、小龍包百六十元ですね。まー、これは当然はずせません。

服部

あれ、ちょっと見てください。なにかー、何かもめてますよ…。

つづく