う ま か 不 思 議 ハ ワ イ イ ─ ワ イ キ キ 篇 (下) その3
観光船… クルーズ船ともいいます。
今日は日曜で予約ができないということを留守番メッセージが伝えている。ワイキキエクスプレスバスのオフィスは休みのようだ。理解するまでにしばらく時間がかかってしまったが、そんなことよりもっとマズい事態に陥っているようだ。やばい! とか何とか言いつつノンキに、裏(いや、表か…)の海で泳ぐ。 今日の場所はなかなかよかった。 と言うより、好みのスポットを発見したのだ。昨日と同じ浜なのに局所的にとても好みの状態になっている。どういう加減か、浜から45度の角度(2時の方向とも言う)に6メートルくらいの幅で、ずっと沖までエメラルドグリーンスポットが伸びているのだった。 このスポットは砂地になっていて岩礁が全くない。しかもあくまでも真直ぐだ。いやに人工的な匂いがするのは、観光船を浜まで乗り付けるために、岩を取り除いた為なのではないかと推察できる。 その恩恵にあずかって、ハワイ最後の水泳を楽しませてもらった。グリーンスポットと岩礁の境目でもぐり、岩のほうを見ていると魚をちょくちょく観察できた。食べるのは嫌いだけど見るのはとても楽しいもんです。
こちらの部屋もちょっと気になります。
9ドルのやつ… ここで言うリムジンサービスとは、ハワイイ島から帰ってきた時に乗ったミニバンタイプのサービスだと高を括っていたのです。
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ホテルに帰り昼ごはんに出かける時、リムジンサービスを頼むことができるのか訊いてみる。 今日は柳沢慎子さんではなく、初日に応対してくれたグループのシフトのようで、おめでたさんがいた。 頼むことができるのかを訊ねたつもりなのに、何も言わないで、当たり前のようにいきなり電話をかけてしまった。そして、するすると予約が成立してしまった。まあいいか9ドルのやつだから。肩の荷がおりたわい。と思っていると甘かった。最後に「35ドルです」と、おめでたさんはのたまった! 13.5の間違いじゃないよな?どっひゃ〜ん!史上最大の失策だ。 もしかして35もすると言うことは、あのゲっスい胴長の黒塗りタクシーみたいなやつなのか?うっへ〜!タクシーさえ嫌いなこのわしがあれに乗ってしまうとは!ナンタルチア、オーソレミヨだ! しかし今さらやっぱ止めときますとはとても言えそうにないフンイキだから、ひきつった笑いでサ、サ、サンキュゥと、か細く鳴いて逃げるよに門をでた。 なぜ最初にいくらなのかと訊く鉄則を実践しなかったんだろう。『頼む』ではなく『いくら』という単語を使えばよかった。これが柳沢慎子さんだったら状況はもちっと変わっていただろうに。あな口惜しや。よよよと泣き崩れる。
心中とはウラハラに、相変わらずハワイの空は蒼かった。
有名な… なんでも予約のみでしか提供してくれないカニカレーというのが絶品だそうだけれど、わたし個人には何の興味もないものなのだった。 全部… もちろん、えび春巻きは除外です。
とにかく落ち着いてバスに乗りアラモアナだ。 降りて真直ぐ歩いてベトナム料理屋へ。 今日のはかなり有名な店らしい。 初日と違い、迷う事なく到着したその店は、いつも混んでいるという噂の割には、とても空いている。ちょっと時間がずれているせいなのか。 揚げ春巻き・えび生春巻き・ぶた生春巻き・スライスビーフフォー・鶏のレモングラス炒め・白飯。 今思うとなんでこんなことを言ったのか意味不明だけど、ライスはおかずとセットなの?と訊くと、サイドオーダーよとおねえさんは言う。じゃぁ、1人前にしよかやっぱり2人前だろかと相談していると、「ワン!」とおねえさんが決定した。日本語がわかるんだろか。 春巻き関係は全部うまい。フォーもうまいに違いはないが、生野菜別皿どっさりパターンを踏襲していないのはなぜだろう。鶏もうまい。白飯も確かにワンで十分の量だった。と、一部疑問は残るが有名なのも頷けるお店です。 気をよくしてデザートも奮発することに決定した。 ベトナム風プリン、蓮の実と昆布のミルクがけ。 プリンは間違いないだろうが、昆布というのに引っ掛かりつつチャレンジしてみる。コーヒーも訊いてみるとベトナム風だとおっしゃるからホットとアイスを頼む。 プリンは特筆することのない普通の味だったが、蓮の実と昆布はびっくりするくらいうまかった。昆布といっても飾りとして使っているようなもんで、あの和風の出汁のような味は微塵もなく感触のみの食材と言っても過言ではありますまい。 それよりも、蓮の実というものがこんなにうまいもんだとは知らなかった。さつま芋と栗とカボチャを併せたような感じだ。これも日本文字もメニューに表記されていたから注文できたことだ。日本語のメニューなんて百害あって一利なしと思っていたけれど、そうでもないということに気がついた昼刻だった。それが大人になるということなのだ。
アルマイト製ドリッパ… この後、日本でも簡単に入手できるようになり(しかも安い!)、近頃はこれでしかコーヒーを飲んでいません。ペーパーフィルターなどでいれるよりも、確実にうまいと思っています。難点は冷めてしまうこと。
コーヒーホットは、今までとは一線を画す濃いものであったが、例のアルマイト製のドリッパーでは供給してくれなかった。少し残念に思うが、アイスは練乳たっぷり濃厚味で、たいへんおいしい。世の中にはエスプレッソが嫌いだとおっしゃる御仁もあるようですが、すべからくコーヒーはこうでありたいものです。 ウエイトレスの小姐は、さすがにハワイ在住だけあって小太り気味ではありますが、なかなか愛嬌があってよろしい。しかし、買い付けから帰ってきたと思われるマスターらしきオヤッサンは気に食わない。 わしらの前にいた若手日本女性二人組に「オイシ?」「ウチは有名ヨ」「高倉ケンさんともトモダチよ」などなど、デレデレなれなれ状態は見ていて気持ちのよいものではありませんばい。やっぱり若い女がえいんかい!と心の中でツッコミをいれながら「コバヤシネンジさんはこないのですか?」と小声でささやいた。
諸岡さん… 言わずと知れた名作、必殺シリーズ第10弾「新必殺仕置人」の第41話「解散無用」の極悪非道同心。
〆て39ドルほどだったので、TCを40、現金を6置いた。 ちょっと記念にと思って、その勘定書をもらった。冷静に考えると、勘定書はレシートとは違うものだから、着服していいのもではないということに気が回ればよかったのだけれど、いつもレシートのようなものを貰えないなぁということが、なぜか大きく頭の中を占めていて、その勘定書をついポッポナイナイしてしまった。 小姐は忙しいので、ケンさんのダチであるところのオヤッサンが回収にきた。いったんは引っ込みかけたが、厨房の入り口あたりで、新仕置人最終回の諸岡さんのように『あ、まてまて』という感じで振り返り「レシートは?」と詰問してきた。 中村主水のように「さ、どうしてですかな」ととぼける訳にもいかず、赤面しつつ書付を返納した。 これは勘定を胡魔化したと思われているのかもしれない。 それとも「あんたの思った通りだよ」とテーブルでもひっくり返したらよかっただろうか。んなアホな。 リムジンの35はハラたつけど、ここの46は惜しくないのうと、せっかく気分よくなっていたのに、また元の木阿弥となってしまった午后でした。 アラモアナのエディバウアーで50%オフで20ドルのシャツ2枚を買ったつもりが、レジにてさらに半額になって、ずいぶん気分回復して帰途につきましたとさ。
天仁… テンレン。懐かしの台湾でよく見かけた大手お茶屋さん。神戸の南京町にも支店らしき店がある。 モミティー… 直径8mmくらいのタピオカ的なグミ状の物体モミが入ったティードリンク。極太ストローですする。なんでも当時ハワイで流行していたそうな。この後、三宮でも似たような店を見かけた。
テが楽しみにしていたフラショーである。 わざわざお金を払ってまで観たいとは思わないが、毎日曜は午后6時からプールの特設ステージにて開催されるのだ。ホテルに帰ると柳沢慎子さんが「ハァ〜イ、今日はフラがあるわよ〜」と声をかけてくれたので、鑑賞することにした。 やはり、慎子さんはご機嫌さんでよろしい…とシグゼーンで購入したアロハシャツを着込み、ホテルの従業員のような格好で、しっかりかぶりつきのど真ん中に陣取る。 待つこと15分、アロハ−と太ったおばさんがマエセツを始めた。 思いきや、説明が終わった途端、隣の英語圏老夫妻が席を立ちサッサと帰ってしまった。 どうやら踊子さんが腹痛か何かでドタキャンになってしまったようである。ホンマ、ついてるのかついてないのかよーわからん日じゃわい。
しゃーないから再び夕日を見る。 ABCとフードパントリーで土産もんを物色。レジのねえさんは結構不機嫌。ヒロのスーパーはほのぼのしてたなあ。 天仁が経営しているモミティーを発見。ノーマルタイプを注文。砂糖控えめモミもうましでベリーナイス。 ジャックインザボックスというファストフードハンバーガー屋で、トマトの載っているタイプのもの、テはモンスタータコなるものをお持ち帰り。 最後にホテル前のABCでペリエと、お向かいのおばさんちの土産を購入。アロハーと、こちらはとても感じがよいのであった。
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